FAQ -NEJのひろば

これから『NEJ』を使う人のためのFAQ

Q.1 このテキストの特長は何ですか。

A.1 これまでの文型・文法積み上げ方式のシラバスではなく、「テーマを中心とした言語活動・学習活動をしながら、基礎的な日本語力を着実に身につける」シラバスであるという点が、大きな特長です。自己表現活動中心の「マスターテクスト・アプローチ」という新しい教育方法を提案しています。

Q.2 マスターテクスト・アプローチとは何ですか。

A.2 3人の登場人物が、各ユニットのテーマについて自分の話をします。それをマスターテクストと呼び、学習者はマスターテクストを聞いて覚え、その話しぶりをモデルに自分の話をすることが目標です。マスターテクストには初級の語彙・表現、文型・文法事項が体系的に含まれているので、このテクストを覚えると同時に文法や語彙も習得できます。

Q.3 どのレベルの学習者が対象ですか。

A.3 主に入門・初級レベルの日本語学習者が対象です。

Q.4 vol.1 とvol.2 を終えると、どのくらいのレベルに到達しますか。

A.4 初級修了レベルに到達します。本書は、CEFRのA2レベルを基準にカリキュラムを策定しています。

Q.5 vol.1 とvol.2 を終えるのに、どのくらいの時間がかかりますか。

A.5 標準的なカリキュラムの場合、全24ユニットを192時間から240時間で学習することを想定しています。

指導参考書p.36~p.40

Q.6 1つのユニットに、どのくらいの時間がかかりますか。

A.6 標準的なカリキュラムの場合、1ユニットを8〜10時間で学習することを想定しています。

指導参考書p.36~p.40

Q.7 NEJ はどのようなシラバスで構成されていますか。

A.7 「テーマ」を中心に構成されています。しかし、トピック、語彙・表現、文型・文法事項も、学習者のレベルに合わせて系統的に提示しています。

指導参考書p.4~p.7

Q.8 NEJ の各ユニットではどのようなテーマ、語彙、文型・文法事項を学習しますか。

A.8 こちらの教育内容の概要をご参照ください。(『NEJ』vol.1,2のCONTENTSでも見開きで教育内容が一覧できます。また、『NEJ 指導参考書』にはより詳しい教育内容の一覧表が掲載されています。)

Q.9 どのように授業を進めますか。

A.9 主に、以下のような流れで進めます。
パート1: マスターテクスト(Personal Narratives)を勉強する。(朗唱練習、質疑応答)
 ↓
パート2: 宿題として勉強したUseful Expressions(vol.1)、Summary of theMain Grammar
     Points(vol.2)を活用して、口頭練習をする。
 ↓
パート3: 別冊シートを使いながら、文法、および文字の書き方を勉強する。
 ↓
パート4: マスターテクストを参考にしてエッセイを書く。
 ↓
パート5: 指導者がエッセイを回収し、エッセイ集を作成する。

指導参考書p.20~p.35

Q.10 NEJ はどのような教育機関で使えますか。

A.10 大学や日本語学校などの教育機関を想定していますが、プライベートレッスンや海外の語学学校でも使えるようになっています。

指導参考書p.85~p.87

Q.11 NEJ はどのような対象者に使えますか。

A.11 主に留学生や就学生を想定したテクストになっています。マスターテクストでは留学生とその周りの日本人が登場しますが、マスターテクストから発展的に自分の話をするということで、ビジネスマン、主婦、技術研修生、海外の学習者にも使えます。

指導参考書p.85~p.87

Q.12 NEJ の副教材はありますか。

A.12 副教材はありませんが、各巻に文法や漢字の練習帳が付属しています。基礎日本語学習に必要な事項は、『NEJ』vol.1, vol.2 の2 冊で、すべて学習することができます。

Q.13 NEJ はどのようなレイアウトになっていますか。

A.13 マスターテクストは、Unit1 〜Unit7 は本文に語釈、文法注釈、注意するべき助詞、ローマ字表記、漢字のルビなどが合わせて書かれていて、そのページだけを見れば理解して読むことができます。また、進んだUnit8 〜Unit24では、パラレルテキストといって、そうした補助付きのテクストと補助なしのテクスト(プレーンテクスト)が見開きで載っているので、習得状況に応じて使い分けることができます。

Q.14 パラレルテキストとは何ですか。

A.14 Unit8 以降は、パラレルテキストになっています。パラレルテキストとは、全く同じテキストで右ページがルビや注釈のあるもの、左ページがそれらがないものというレイアウトです。学習者は右ページを自分でメモを書き込むために使うことができ、必要に応じて、左ページを参照しながら学習を進めることができます。

指導参考書p.13

Q.15 NEJ で取り上げている「テーマ」は、どのような基準で選んでいますか。

A.15 NEJ が到達目標としているCEFR のA2 レベルでは、「自分の話をする」という記述に「自分の周りの環境、例えば、人や場所、仕事、学習経験などの日常を述べることができる。」「家族、住居環境、学歴、現在やごく最近までしていた仕事を述べることができる。」とあります。これらの基準をもとに、NEJ が重視する自己表現活動に必要だと思われるテーマを選んでいます。

指導参考書p.19

Q.16 NEJ で取り上げている語彙数と漢字数はどれくらいですか。

A.16 vol.1 とvol.2 を合わせて、語彙数は996 語、漢字数は300 字を学習します。追加語彙(*付きの語彙)を含めると1145 語になります。

Q.17 文法はどのように解説していますか。

A.17 vol.1 では、Main Grammar Points を設け、学習すべき文法項目を解説しています。vol.2 では、Summary of the Main Grammar Points に、学習すべき文法項目を含んだテクストを載せています。vol.1、vol.2 ともに、ユニットごとにThe Gist of Japanese Grammar を設けており、ポイントをおさえるべき文法項目を解説しています。また、各ユニットで難しい文法項目には、マスターテクストに注釈をつけています。

指導参考書p.17

Q.18 語彙や表現はどのように解説していますか。

A.18 マスターテクストで初出の語彙や表現には、注釈をつけている他、UsefulExpressions やQuastions & Answers(Unit1 〜6 のみ)で、追加で覚えると便利な語彙や表現も取り上げています。

Q.19 音声CD はついていますか。

A.19 指導参考書についています。また、当サイトの♪sound files♪からダウンロードすることが可能です。

Q.20 どのように授業を進めますか。

A.20 主に、以下のような流れで進めます。
パート1: マスターテクスト(Personal Narratives)を勉強する。(朗唱練習、質疑応答)
 ↓
パート2: 宿題として勉強したUseful Expressions(vol.1)、Summary of the Main Grammar
     Points(vol.2)を活用して、口頭練習をする。
 ↓
パート3: 別冊シートを使いながら、文法、および文字の書き方を勉強する。
 ↓
パート4: マスターテクストを参考にしてエッセイを書く。
 ↓
パート5: 指導者がエッセイを回収し、エッセイ集を作成する。

Q.21 どれくらいの人数の学習者を対象にしていますか。

A.21 一般的な日本語教科書と同様と考えてください。10 人前後のクラスが理想的ですが、クラスの人数に関係なく、学習者それぞれに学習を進めることができます。

Q.22 初級クラスでよく行われる、文型導入、活用練習などは必要ないのでしょうか。

A.22 文型中心のシラバスではありませんので、文型導入は必要ありません。また、活用練習も動詞に集中して単に活用形を示すのではなく、活用形を具体的な用法の中で提示するようにしてください。

指導参考書p.16

Q.23 イラストはどのように使えばいいでしょうか。

A.23 指導参考書には、イラストデータが入ったCD-ROM が付いています。イラストデータをエッセイ集に載せたり、拡大して印刷し、授業の中で使用することもできます。また、いろいろな使い方ができるように、指導参考書では、ユニット別リスト、文型別リスト、品詞別リスト、カテゴリー別リスト、五十音順リストを載せています。それぞれの使い方に応じてイラストを使用してください。

指導参考書p.108~p.149

Q.24 ひらがなやカタカナの学習はどのように行えばいいですか。

A.24 別冊のひらがな、カタカナ練習シートを用いて練習してください。ひらがなはイラストを、カタカナは世界地図を用いて楽しく学習できるようになっています。

指導参考書p.20, 21

Q.25 漢字の学習はどのように行えばいいですか。

A.25 別冊の書き方練習シートを用いてください。マスターテクストに出てきた漢字の中から漢字の書き方の基礎となる50 字をまず学習します。各ユニットの漢字がスムーズに書けるようになるまでしっかり練習してください。

指導参考書p.34

Q.26 エッセイのテーマは、どのようなものを提示すればいいですか。

A.26 エッセイは、各ユニットで学習したテーマをもとに書くように指示します。指導参考書には、エッセイのテーマのヒントが書かれています。

Q.27 エッセイはどのように評価すればいいですか。

A.27 学習者への励ましと評価を兼ねて、5 点満点で毎回採点してください。

指導参考書p.31

Q.28 中間試験や期末試験は、どのように行えばいいですか。

A.28 中間と期末を区切りとして、持ち帰りの宿題テスト「好きな言葉」を実施し
ます。詳細は、指導参考書をご参照ください。

指導参考書p.33、p.150、p.151

Q.29 小テストなどはどうすればいいですか。

A.29 授業に役立つ漢字小テストやトレーニングシートを公開しています。ウェブサイトからご自由にダウンロード、プリントアウトしてお使いください。

Q.30 全体の評価はどのように行えばいいですか。

A.30 全体の評価は教育機関によって異なりますが、NEJ が最も重視している自己表現活動のひとつであるエッセイの評価方法については、指導参考書をご参照ください。

指導参考書p.31

Q.31 別冊シートの解答はないのですか。

A.31 別冊シートは、基本的に本冊を見れば答えられる問題になっていますので、解答はありません。

Q.32 英語が分からない学習者にも、NEJ を使えますか。

A.32 今後、中国語版、韓国語版を刊行予定です。

Q.33 英語が話せない日本語教師でも、NEJ で教えることができますか。

A.33 指導者は、学習者がつまずいたときに、該当箇所を指し示すだけでよいので、必ずしも英語が話せることが重要ではありません。むしろ、学習者が辞書などを使って自分で調べるようになるよう支援することが重要です。